馴染みのホステスさんから
呼び出されての、深夜のBAR。



扉を開けると、いつもの
イケメンバーテンダーが
カクテルをシェイクしている。




「いらっしゃいませ。」




「すまん、遅くなった。」




カウンター席の女の隣に座る。


「ビールね。

…で? 何か有った?」




俺をちらって見た女は
既に結構、出来上がってて、、

カクテルグラスを持ったまま
上半身が揺れだして、、、







「パパと別れた。」





「…ふーん、、、そかー。」






…掛ける言葉も無くて
黙って居ると
ぽつりぽつりと独り言の様に。





要するに
新しい女が出来て
振られたらしい。



悔しくて堪らない。


涙ながらに、そう言う。





その割りには
今の生活レベルを
落としたく無いとか、
早く新しいパパを見付けなきゃ、


…的な。



泣きながら。






えー。結構、ゲスいなー。

あー、でも強がりかなー。








、、、タバコに火を点けて…






ちょっと、待ってたら泣き止んで、





「もう、いいの、あんな男。
ハゲデブの癖に!」

「でもさ、そんなんでも
結局、惚れてたって事じゃん?
泣くぐらいに。」






あ、、、…又、泣いちゃった。





超絶、美人じゃないけど
男に振られて泣くとこは
いじらしいし、
口の悪い強がりも
可愛らしく思えた。





なんか、励ましてあげなきゃ。





「あーあ、
私がもっと美人ならなー。」


「いや、お前、
顔が人間じゃ無いじゃん。」






彼女は、号泣した。


自分の言い間違いに
直ぐに気付いたが
取り付く島も無い感じで、、、




「いや、人間、顔じゃないじゃん…」

って言い直しても、、、








バーテンダーに
救援の視線を投げ掛けたら

視線を外され首を振られた。








長い夜だったなー。