歪な二人を結ぶ嘘






名無しside……。



もう慣れたものだ。



入れ替わる瞬間少しの間だけ蛍は眠る。



しばらくしたら起きて来て煩く騒ぎ立てるから、寝ている間は静かでいい。



思考を覗かれることもないし。



男「おい坊主。こんな夜中に出歩いて何してる」



前から歩いて来た男に声を掛けられる。



笠を被っていて顔はよく見えなかった。



腰に刀を差しており、服に血が着いていた。



名「辻斬りか」



男「察しがいいね。ちょっとそこで人を斬っていたらお前さんが通ってね。まだ足りないと思っていたから丁度よかったよ」



そう言って男はゆっくりと刀を鞘から引き抜いた。