歪な二人を結ぶ嘘




とりあえず誰かに新選組のことを聞こうと、傍にいた女性に声を掛けた。



蛍「すみません。新選組の屯所がどこだかご存じないですか?」



女「壬生村にあるんじゃない?それじゃあ私行くから。これ以上みぶろの話なんて聞きたくないからね」



そう言ってさっさと行ってしまった。



新選組が嫌われてるって本当なんだ。



改めて実感した私は歩き出す。それからいくら話し掛けても誰も壬生村への生き方を教えてくれなかった。理由を聞かれて説明すると逃げられる。みんな揃ってあんなところに行きたくないとか、みぶろに関わろうとする奴に関わりたくないとかそんなことを言っていた。



名(正直に言うから煙たがられるんだよ)



蛍(そんなこと言ったって嘘なんて吐けないし)



気付けば辺りは暗くなり人通りも減っていた。



名無しに文句を言われながら歩いていると、ふと眠気がして倒れ込む。



もう六時かと実感した。



そうして私は意識を手放した。