歪な二人を結ぶ嘘




私は横断歩道のど真ん中で立ち止まる。



そしてクラクションが聞こえた後は、一瞬の出来事だった。



直進してきたトラックが体に当たって、私は吹き飛ばされる。



ブレーキを踏み、ハンドルを切って避けようとしたトラックは派手に横転して、直進してきた車を巻き込む。



そんな大事故が目の前で起きて、私は体から血が流れて痛くて苦しいのに、どうしてか後悔やまだ生きていたかったという想いがなかった。



それはきっと心のどこかで人を殺していたことを悔いていたからだ。



組織に命令されて殺してきた相手は不正を働いて、人を騙して沢山の人を苦しめて来た。



でも死んでよかった訳じゃない。