赤メッシュのヤンキー少女が、フツウに恋をしてしまったら…



「え…咲…」

梨子がわたしたちに気づいた。
さっきまではあんなにニコニコしていた翔希の顔が一気に青ざめる。


「あ!
翔希"も"そうだったんだ!」


わたしはニコリと笑った。

「正直、翔希のこと元々タイプじゃないし、一緒にいても楽しくなかったから。わたし本当は真面目な人が好きで、だからハルと二股かけてた!
ちょっと罪悪感あったけど、翔希も浮気してたから良かった!

ばいばーい!」


今度はわたしがハルの腕を引っ張って行く。


翔希も梨子も待ってとか、ごめんとか、何にも言わなかった。
それがもっともっと悲しくさせた。