「止めて欲しかったんじゃない?」


ひょっこり
靴箱から今日のモヤモヤの元凶、ハルが出てきた。

「あの子をイジメてる時の咲…鏡見てみなよ
すっごく辛そうな顔してるよ
きっとあの子はそれをわかっていて

弱い者イジメはだめー!って言って欲しいんだよ。」

からかうようにハルは言うが、言葉ひとつひとつに重みがあった。


「で、咲…」

ハルは一瞬言うのを躊躇ったが再び声を発した。



「今日…デートしない?」




はああああああ!?

意味わかんないっ!昨日は嫌いとか言いながら!

「やだよっ!
わたし彼氏いるしっ!!」

そう言うも、いいからいいからとわたしの腕を掴み、無理矢理昇降口を出て、校門を抜けていった。