「やっぱりここにいた」


聞き覚えのある声に振り向く
ハルだった

「ハル…」
「ごめん…さっきは言い過ぎた…」

気まずい沈黙が流れる
南公園で遊んでいる子ども達はお家に帰る頃でいっそう静かになっていた。

ようやくわたしは口を開いた。


「…怖いんだ」

ぽつりと呟いた言葉にハルは、ん?と耳を傾ける

「晴をイジメてるの、本当はダメって分かってる
…けど友達を無くすのが怖い…1人になるのが怖い…」

「咲…それは友達じゃない」


夕焼けで輝くハルの顔は綺麗だったがそれ以上に寂しそうだ。


「今の咲にとって、友達もあの金髪男も
上に立つための"道具"でしかないんだよ

そしてあの人達も咲のことをそう思っている。
壊れたら捨てればいいって」


頭の中にその言葉が反芻する。
認めなきゃいけないけど、認められない。


と、勝手に視界がぼやけていく
だめだ
そう思っても涙が頬を伝う