男の声だった。 「時期に雨が降る。 そんなところに居れば濡れてしまうぞ?」 優しい優しいその声の主の顔は見えなかった。 私は驚いて、黙って、木をゆっくりと降りていった。 「ふふ、ここへとべ。」 そう言って腕を広げてくれた。 私はまた黙ったまま、その人の腕へ飛び降りた。 優しく受け止めてくれた彼とを遮るように 私の髪が風にさらわれていく。 その髪を耳へすくうと 優しい顔をした、女の顔のように綺麗な 男の人と目があった。