最初で最後の恋だから。ーセンセイー

「目が赤いけど泣いたのか?」

大階段ですれ違いざまに先生は私の腕を掴んだ。

「違います、・・・ただ寝不足なだけで。
先生は心配性なんですね。
生徒一人一人心配してたら身が持たないですよ?」

「俺の手がなくても大丈夫な生徒は心配しないさ。」

先生の言葉とチャイムが重なった。

「放課後国語科準備室においで。」

そう言うと先生は次の受け持ちクラスに向かって足早に去っていった。