最初で最後の恋だから。ーセンセイー

「今日は荷物が多いんだな。」

朝のバス停で古賀君はナップサックを見て言った。

「家庭科部で使うものなんだけど鞄に入りきらなくて。」

私はテスト期間中でなくても置き勉はしていなかった。

教科書から辞書に至るまで毎日持ち帰っているので肩凝りと頭痛持ちだ。

「持ってやろうか?」

「大丈夫。」

バスが来たものの、今日は座れなさそうだった。

「今日は家庭科部だから、先に帰ってていいよ。」

「家庭科部って何やってるんだ?」

「皆、自由かな。
でも編み物やってる人が多いかも。」

「編み物ってマフラーとかセーターとか?」

「うん、先輩たちすごく上手だよ。」
紗智も。」

「柚依もやってるのか?」

「一応ね、始めたばかりだよ。
不器用だから出来上がっても誰も貰ってくれないかも。」

「そんなことないだろ。」

「誰も貰わないなら俺が貰うから。」

月の光がいつも優しく降り注いでいたことを向日葵は知っていた。

太陽が見えなくなったから月の光を求めるのは欲深すぎる。

(このまま、古賀君に甘えていちゃいけない)

いつかこの関係は終わらせなければいけない。

それだけは解っていた。