最初で最後の恋だから。ーセンセイー

古賀君に断りを入れて私は学校近くの手芸屋さんに寄った。

バス道沿いに有るので知ってはいたけど入るのは初めてだった。

色々な物が小さな店に所狭しと並んでいる。

私が見に来たのは毛糸だった。

マフラーをちゃんと編み始めようと思っていた。

(何色が良いかな。)

誰かの為に何かを作るなんて初めてで、迷ってしまう。

「・・・ゆずちゃん?」

「汐見先輩。」

「毛糸を見てたの?」

「はい。」

「私もね、買い足しに来たの。」

汐見先輩は朱色の毛糸を抱えている。

「何色にして良いか迷ってて。」

「好きな人にあげるの?」

「ええと・・・、友達です。」

「そうなんだ。
好きな色か似合う色か・・・迷う所よね。」

「汐見先輩はどっちにしたんですか?」

「ふふ、秘密。」

先輩はまた明日ね、と言ってレジに向かった。

(朱色って大人な男の人のイメージ・・・私はどうしようかな)

黄色?

茶色?

温かな暖色系の中から色を探した。

(これがいい)

表示を見るとクリームイエローと書いてあった。

優しさを色で表すならきっとこんな色だと思う。