「ゆずちゃんは部活入ってないの?」

夏の日差しがきつくなってきたお昼休みの渡り廊下の日陰で私達はお弁当中だった。

「うん。」

「じゃあさ~、家庭科部入らない?」

「家庭科部?」

「うん。
1年生私一人なんだ~。」

「で、先輩が3年生しかいないから引退したら廃部の危機なのっ!!」

「だから、ゆずちゃんお願いっ。」

「うーん。」

「先輩達優しいし、お菓子作りとか出来るんだよっ。
哲君にプレゼントしたらすっごく喜ぶよ!」

あれから古賀君とは毎日一緒に登校している。

休み時間もちょくちょくクラスに来てくれるからかなり校内に知れ渡っていて公認カップルと言っても差し支えなかった。

「不器用なんだけど、大丈夫かな。」

「大丈夫だよ~。
じゃあ、善は急げだよねっ。
顧問のせんせのトコいこ。」

紗智が嬉しそうに手を引っ張る。

お弁当を片付けて私達は職員室に向かった。