「俺と付き合わないか。
彼女ならいつも一緒にいて守ってやれる。」

ひととき憧れた人が自分を好きだと言ってくれる。

それはとても心強かった。

(でも・・・)

ぽん、と頭に伊藤先生の笑顔が浮かんだ。

「私、好きな人が居る。
だから、古賀君とは付き合えない。
ごめんなさい。」

言葉を切った後私は頭を下げた。

「そんなにはっきり言えるなら小西のことも話せよ。」
友達として、巻き込まれてやるから。」

「古賀君・・・。」

私は過去を話す決心をした。

転校して親しくなった友達に裏切られたこと。

その子の代わりに虐められたことを話した。

振り返りたくない過去を話すのは苦しかったけれど話を聞いた古賀君の方がもっと苦しそうだった。