最初で最後の恋だから。ーセンセイー

「もーやだ。」

紗智はバタバタと駄々っ子のような仕草をする。

「一息入れようか。」

私達は食堂の横にある自動販売機に向かった。

「ゆずちゃん何にするー??」

「ミルクティーかココアにしようかな。」

「甘くない?」

「甘いのが好きなんだ。」

表示を見ると両方売り切れだった。

「どうしよ。」

迷っていると頬に冷たいものが当たった。

「やるよ。」

「貰っても良いんですか?」

伊藤先生だった。

どこから現れたんだろう。

私が不思議そうに見つめていると先生は自動販売機の隣のドアを指差した。

「そこが国語科準備室なんだよ。」

知らなかった。

「せんせ、ミルクティーなんて飲むの?
意外~。
珈琲党のイメージなのに。」

「他の先生に貰ったんだが飲めなくて困ってたから、貰ってくれたら有り難い。」

「有り難く、頂きます。」

ぺこりとお辞儀をして私達は教室に向かった。