最初で最後の恋だから。ーセンセイー

「ゆずちゃんって好きな人居るの?」

私達は紗智の提案でテスト勉強をしていた筈だった。

勉強に飽きたらしい紗智はおしゃべりを始め、私に質問を投げかけたのだ。

「いないよ。」

「気になる人とかは?」

「・・・・。」

気になる人。

温かいと思う人は気になる人なんだろうか。

「あー、いるでしょ。
気になる人。
誰だぁれ??」

「気になるっていうか・・・まだ分からない。」

「ふーん?
ゆずちゃん顔赤いよ??」

紗智にまじまじと見つめられて鏡を取り出す。

ほんのりと頬が赤かった。

「誰なんだろうな~、ゆずちゃんの好きな人。」

紗智の中ではすっかり私に好きな人がいることになっている。

「ムダ話はもうダメ。」

私は紗智に教科書を押し付けた。