最初で最後の恋だから。ーセンセイー

「何をやってるんだ!!」

ピッタリ閉まっていたはずの扉が開き、そこには伊藤先生がいた。

「バスケットの練習っすー。
コイツが俺に教えてくれって頼んできたんですよ。
・・・なぁ?』

蛇の目が光る。

私に異論を唱える事は出来なかった。

去ろうとするアイツになおも先生は食い下がる。

「教えていた風には見えないが。」

「コイツ、鈍くさいから中々ね。
嘘だと思うなら本人に聞いて下さいよ。」

片手をひらひらさせてアイツは去っていく。

「大丈夫か。
何があったんだ。」

「・・・バスケットボールの練習です。」

「違うだろう!!」

大きな声に私はびっくりしてしまった。

先生は真剣な顔をして怒っていた。

「立てるか?
とりあえず保健室にいこう。」

ズキン。

ボールを受けた足が痛んだ。

平気な顔を作り歩き出そうとした。

「ほら。」

先生は座り込み背を向けている。

「平気です、歩けます・・・。」

「我慢しなくていい。
約束しただろう?」

「それでも・・・あの、恥ずかしいです。」

「そこは我慢だろう。」

先生が真面目な顔で言うものだから笑ってしまった。

「お前は笑ってる方がいい。」

そう言って先生も笑った。

先生の笑顔は太陽みたいだ。

眩しいけど、焦がれてしまう。