私の両腕。

そこには赤い線で埋め尽くされている。

毎日、眠る前に自分の腕を傷付けた。

そうしないと眠れなかった。

心に巣喰う闇に壊れてしまいそうだったから。

感情を言葉にするのは難しかった。

ふわっと大きな手が頭に触れる。

「無理しなくていい。」

言葉を尽くす優しさよりも多くを言葉にしない優しさの方が温かいと初めて知った。