最初で最後の恋だから。ーセンセイー

朝起きると激しい雨の音がする。

「おはよう。」

「母さん、おはよう。」

雨の日はバスが混むから早めに出掛ける事にした。

「行ってきます。」

地面を叩きつける雨。

バス停に着くと制服は傘を差していたのにびしょ濡れだった。

定刻通りに来たバスに乗り込むとあかりの姿が見えた。

「早いね。」

「雨の日はバスが混むから。」

「そうだね。」

「・・・家庭科部に入部する話だけど。
あんたのお友達は何も言わなかったの。」

私は正直に答えた。

「最初は小西・・・くんのことがあったし気にしてたけど。」

「だろうね。」

「水沢さんは悪い人じゃないし。」

「はあっ?」

「ちゃんと紗智も解ってくれたから。」

「あんたたち、馬鹿じゃない。」

そう言ったあかりの言葉に冷たさはなかった。

「水沢さんはお菓子作りしたことある?」

「あるよ。
勇気が甘いもの、好きだから。」

「そうなんだ。
明日の家庭科部の活動なんだけどね皆でクッキー作ろうと思ってて。」

「了解。」

バスが学校に着くと激しかった雨は止んでいた。