冬休みはあっという間に過ぎてしまった。

３学期が始まりあまりの寒さに屋上に続く階段で一人ランチをしていた。

「あんた、お昼食べるコいないの？」

食べ終わったころに現れた水沢あかり。

「晴れの日はいるけど今日は寒いから。」

「ふうん。」

「水沢さんはどうしてここに？」

「サボリ。」

「誰も来ないもんね、ここ。」

「あんたがいるけどね。」

「迷惑？」

「別に。
あたしだけの場所じゃない。」

そう言うとあかりは目を閉じた。

それからも天気が悪い日に一人ランチをしているとはあかりは現れた。

あかりから敵意は消え、私たちは少しずつ会話するようになった。

「あんたさ、何クラス志望なの。」

「国際クラス。」

「そっか。」

「水沢さんは？」

「一緒。」

「そうなんだ。
もし希望が通ったら同じクラスだね。」

「・・・勇気は違うから。」

あかりの言葉にほっと胸をなでおろした。

「来年からよろしく。」