実は人じゃないんです

「・・・えっと。雨宿りさせてもらってもいいですか?」



「あ・・・はい」


「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」




(気まずい!)


何か話題を・・・
「・・・雨。急に降ってきましたね」

「あ・・・はい、そうですね。困っちゃいますよね」

「そ・・・そうですね」

それだけで会話終了
ふと少女の体を見る

生きているかと疑えるほどの白い肌
華奢という言葉そのままにしたようなすらりとした細い体

頭と肩周辺は雨のせいか少し湿っている

そして
一メートルくらい離れているというのにほのかに香る花の香り

「くしゅっ」

可愛らしいくしゃみに体がつい反応してしまった

「ず・・・ずびまぜん・・・」

ずずっと鼻をすすりながら笑って言う姿もかわいくて心臓がきゅんとする


「・・・あの・・・いつもここにくるんですか?」

雨が増して出れそうにないというのに静まり返っているこの場所が嫌でつい言葉を放った。少女は「え・・・」と露骨に不快な表情をする

「なんでしってるんですか」

一気に怪しい目で見られてしまった