愛輝が学校の玄関を出ると、体育館から女バスの子たちが練習を終え出て来た。
インターハイ出場を決めた美香に心配掛けては行けないと、愛輝は足早に去ろうとした。
しかし……
「愛輝待ってよ。一緒に帰ろうよ」
美香の大きな呼ぶ声に、愛輝の足が止まってしまった。
美香に気付かれないように笑顔を向けようとしたが、美香の顔を見た瞬間、愛輝は声を出して泣き出してしまった。
本当に何も出来ず、美香に迷惑かけてばかりの自分が情けない。
二人は体育館の入り口に座り、愛輝は拓海と梨花子の事を涙ながらに話した。
「くそー。頭に来た。ぶん殴りに行こう!」
美香は拳を握りしめて立ち上がった。
「辞めてよ、美香ちゃん。見抜けなかった私もバカだし。これからインターハイなんだから、バカな事は考えないで試合に集中して。そうでなきゃ私、申し訳なくて…」
「何言ってんの、親友でしょ。心配して当たり前!」
「ごめんね。私、美香ちゃんに話したら凄く楽になった。ありがとう…… 私みたいな子が、場違いな事したからいけないのよ……」
愛輝は弱々しくほほ笑んだ……
「愛輝……」
「美香ちゃんが友達で良かった」
愛輝は立ち上がって、スカートを手で掃った。
「送ってくから、一緒に帰ろう」
美香が、優しくほほ笑んだ。
愛輝の家の前まで来ると、一台の車が門から入って行くのが目に入った。
「しまった…… 今夜、パパの友達がアメリカから来るんだった。ホームパーティーするって言っていたのに忘れてた…」
「大丈夫? 具合悪いとか言って部屋で休んだら?」
「うん。そうそうする」
「私が具合わるそうだから、送ってきた事にしてあげるよ!」
愛輝と美香が並んで玄関までの長い道を歩いていると、後ろから優しいが張りのある、男性の声に二人は足を止めた。
「愛輝!」
インターハイ出場を決めた美香に心配掛けては行けないと、愛輝は足早に去ろうとした。
しかし……
「愛輝待ってよ。一緒に帰ろうよ」
美香の大きな呼ぶ声に、愛輝の足が止まってしまった。
美香に気付かれないように笑顔を向けようとしたが、美香の顔を見た瞬間、愛輝は声を出して泣き出してしまった。
本当に何も出来ず、美香に迷惑かけてばかりの自分が情けない。
二人は体育館の入り口に座り、愛輝は拓海と梨花子の事を涙ながらに話した。
「くそー。頭に来た。ぶん殴りに行こう!」
美香は拳を握りしめて立ち上がった。
「辞めてよ、美香ちゃん。見抜けなかった私もバカだし。これからインターハイなんだから、バカな事は考えないで試合に集中して。そうでなきゃ私、申し訳なくて…」
「何言ってんの、親友でしょ。心配して当たり前!」
「ごめんね。私、美香ちゃんに話したら凄く楽になった。ありがとう…… 私みたいな子が、場違いな事したからいけないのよ……」
愛輝は弱々しくほほ笑んだ……
「愛輝……」
「美香ちゃんが友達で良かった」
愛輝は立ち上がって、スカートを手で掃った。
「送ってくから、一緒に帰ろう」
美香が、優しくほほ笑んだ。
愛輝の家の前まで来ると、一台の車が門から入って行くのが目に入った。
「しまった…… 今夜、パパの友達がアメリカから来るんだった。ホームパーティーするって言っていたのに忘れてた…」
「大丈夫? 具合悪いとか言って部屋で休んだら?」
「うん。そうそうする」
「私が具合わるそうだから、送ってきた事にしてあげるよ!」
愛輝と美香が並んで玄関までの長い道を歩いていると、後ろから優しいが張りのある、男性の声に二人は足を止めた。
「愛輝!」


