愛輝が放課後教室でボランティアの資料をまとめていると、拓海がサッカーボールを片手に入口に立っていた。
愛輝は驚いて、教室を見回したが、愛輝以外誰も居なかった。
「どうしたの?」
愛輝は小さな声で聞いてみた。
「別に用事は無いけど、紫芝さんが見えたから」
拓海が愛輝に笑顔を向けて近づいて来た。
「あの… もうすぐ大会ですよね?」
愛輝は鞄から、一生懸命作ったサッカーボールのマスコットに必勝と縫い付けられたお守りを差し出した。
愛輝にとっては、今までに無い勇気のいる行動だった。
マスコットは本当によく出来ていて、愛輝の気持ちぎっしりと詰まっている。
拓海は愛輝の手にあるお守りを見ると、
「すげー。マジで手作り?」
目を丸くして言った。
「はい」
愛輝は嬉しそうに答える。
しかし、急に拓海の表情は冷たいものに変わった。
「でも、俺いらないや。ブスからもらうと運気下がりそうじゃん」
拓海は声を出して笑い出した。
愛輝は何を言われているのか分からず、呆然として声が出せなかった。
「もしかして、俺の事好きになった? 勘弁してよ。暇つぶしに声掛けただけだから… お前には興味ないから…」
拓海はまるで、嫌な物でも見るように愛輝の顔を横目で見ていた。
すると、廊下から笑いながら梨花子が入ってきた。
「ごめんね。聞くつもりは無かったのよ」
梨花子は笑い声をピタリと止めると表情が変わった。
「あんたみたいなブスが、拓海君を好きになったりするからよ! 分かったら、もう二度と拓海君に近づかないで! ブス!」
そう投げ捨てると、梨花子と拓海は笑いながら教室を出て行った。
愛輝は悔しさと悲しさで涙か込み上げて来た。
自分みたいなブスが、人を好きになったりしたから罰が当たったんだ……
溢れ出す涙が止まらなかった。
やっぱり、影でだまって隠れて見ていれば良かった……
勇気なんて出さなければ良かった……
愛輝の胸の中に、大きな悲しい傷ができてしまった。
愛輝は驚いて、教室を見回したが、愛輝以外誰も居なかった。
「どうしたの?」
愛輝は小さな声で聞いてみた。
「別に用事は無いけど、紫芝さんが見えたから」
拓海が愛輝に笑顔を向けて近づいて来た。
「あの… もうすぐ大会ですよね?」
愛輝は鞄から、一生懸命作ったサッカーボールのマスコットに必勝と縫い付けられたお守りを差し出した。
愛輝にとっては、今までに無い勇気のいる行動だった。
マスコットは本当によく出来ていて、愛輝の気持ちぎっしりと詰まっている。
拓海は愛輝の手にあるお守りを見ると、
「すげー。マジで手作り?」
目を丸くして言った。
「はい」
愛輝は嬉しそうに答える。
しかし、急に拓海の表情は冷たいものに変わった。
「でも、俺いらないや。ブスからもらうと運気下がりそうじゃん」
拓海は声を出して笑い出した。
愛輝は何を言われているのか分からず、呆然として声が出せなかった。
「もしかして、俺の事好きになった? 勘弁してよ。暇つぶしに声掛けただけだから… お前には興味ないから…」
拓海はまるで、嫌な物でも見るように愛輝の顔を横目で見ていた。
すると、廊下から笑いながら梨花子が入ってきた。
「ごめんね。聞くつもりは無かったのよ」
梨花子は笑い声をピタリと止めると表情が変わった。
「あんたみたいなブスが、拓海君を好きになったりするからよ! 分かったら、もう二度と拓海君に近づかないで! ブス!」
そう投げ捨てると、梨花子と拓海は笑いながら教室を出て行った。
愛輝は悔しさと悲しさで涙か込み上げて来た。
自分みたいなブスが、人を好きになったりしたから罰が当たったんだ……
溢れ出す涙が止まらなかった。
やっぱり、影でだまって隠れて見ていれば良かった……
勇気なんて出さなければ良かった……
愛輝の胸の中に、大きな悲しい傷ができてしまった。


