美香はバスケ部のキャプテンをしている、ショートヘアーの活発な女の子だ。
そもそも二人が親友になったのも、美香が愛輝を助けた事から始まっていた。
入学して間もない頃、愛輝はクラスの女子からいじめにあっていた。
同じクラスの梨花子の指示で、愛輝に声を掛けてくる友達はおらず、挨拶すらろくにしてもらえなかった。
愛輝はいつものように、一人で机に座り弁当を広げた。
「ここ座ってもいい?」
美香が隣の席を指さして笑顔を向けた。
「駄目よ…… 私と居たらあなたまでいじめられるわ」
愛輝は不安気な顔で、美香に離れるよう言ったつもりだった。
「そんなの関係ないよ」
しかし、美香は隣に座り弁当を開きはじめた。
その瞬間、美香の後ろから鋭い声が響いた。
「美香、こっちで食べなさいよ!」
梨花子の表情と声が、愛輝を恐怖にさせ身が縮む。
「私は大丈夫……」
愛輝は小さな声でつぶやくように言い、美香に向かって肯いた。
しかし美香は……
「どこで食べようと私の勝手でしょ。何であんたに指示されなきゃなんないの?」
平然として言い切ったのだ。
だが、愛輝は驚きと怖さで、どうしたらいいのか分からず、声も出せない。
「何ですって! 私の言う事が聞けないっていうの!」
梨花子の甲高い声がクラスの中に響いた。
クラスのほとんどの子達が、係らないよう目をそむけた。
「私はバスケでインターハイ優勝する為に、この高校に入ったの。いじめに係わっている暇はない! 悪いけど巻き込まないでくれるかな」
美香は、表情一つ変えず冷静に言った。
それが、益々梨花子を苛立たせたのだろう……
梨花子は感情を抑えきれずに、勢いよく美香の所へやって来た。
その時、たまたま廊下を通りかかった三年の女子が、梨花子の声を耳にして教室に入ってきのだ。
「美香はバスケ部のエースなの。下手な事に巻き込んだら私達が許さないから!」
三年の女子は、美香のバスケ部の先輩だった。
先輩達は梨花子をキッと睨み、教室を出て行った。
それから、愛輝に対する梨花子のいじめも無くなった。
しかし、愛輝はおとなしく自分に自信が持てず、いつも美香に助けてもらうようになってしまった。
頭の中では、美香のように自信を持って、正しい事を口に出来るようになりたいと思っているのだが、なかなか勇気を持てないまま、高校生活を送っていた。
そもそも二人が親友になったのも、美香が愛輝を助けた事から始まっていた。
入学して間もない頃、愛輝はクラスの女子からいじめにあっていた。
同じクラスの梨花子の指示で、愛輝に声を掛けてくる友達はおらず、挨拶すらろくにしてもらえなかった。
愛輝はいつものように、一人で机に座り弁当を広げた。
「ここ座ってもいい?」
美香が隣の席を指さして笑顔を向けた。
「駄目よ…… 私と居たらあなたまでいじめられるわ」
愛輝は不安気な顔で、美香に離れるよう言ったつもりだった。
「そんなの関係ないよ」
しかし、美香は隣に座り弁当を開きはじめた。
その瞬間、美香の後ろから鋭い声が響いた。
「美香、こっちで食べなさいよ!」
梨花子の表情と声が、愛輝を恐怖にさせ身が縮む。
「私は大丈夫……」
愛輝は小さな声でつぶやくように言い、美香に向かって肯いた。
しかし美香は……
「どこで食べようと私の勝手でしょ。何であんたに指示されなきゃなんないの?」
平然として言い切ったのだ。
だが、愛輝は驚きと怖さで、どうしたらいいのか分からず、声も出せない。
「何ですって! 私の言う事が聞けないっていうの!」
梨花子の甲高い声がクラスの中に響いた。
クラスのほとんどの子達が、係らないよう目をそむけた。
「私はバスケでインターハイ優勝する為に、この高校に入ったの。いじめに係わっている暇はない! 悪いけど巻き込まないでくれるかな」
美香は、表情一つ変えず冷静に言った。
それが、益々梨花子を苛立たせたのだろう……
梨花子は感情を抑えきれずに、勢いよく美香の所へやって来た。
その時、たまたま廊下を通りかかった三年の女子が、梨花子の声を耳にして教室に入ってきのだ。
「美香はバスケ部のエースなの。下手な事に巻き込んだら私達が許さないから!」
三年の女子は、美香のバスケ部の先輩だった。
先輩達は梨花子をキッと睨み、教室を出て行った。
それから、愛輝に対する梨花子のいじめも無くなった。
しかし、愛輝はおとなしく自分に自信が持てず、いつも美香に助けてもらうようになってしまった。
頭の中では、美香のように自信を持って、正しい事を口に出来るようになりたいと思っているのだが、なかなか勇気を持てないまま、高校生活を送っていた。


