なっちゃん、こっちへおいで。




陽が傾き始めた校舎裏には無造作に放置されていたあの絵があった。


これをなくせば


彼女が悲しむことも


彼女が僕に助けを求めることも


わかっていた。



そのくらい、


彼女にとって大切だってこと


そして、なぜこんなに


大切であるか


彼女の幸せそうな横顔の意味を


僕は、知っていたのだ。



全部、全部知った上で


滅茶苦茶にしてやろうと思った。





僕は、なっちゃんと違って汚いから。



こんな方法でしか、


なっちゃんを振り向かせる方法を知らなくて


そんな自分に嫌悪して


僕は、その場にあったガラスの破片を


絵に向かって、思いっきり振り上げた。