あたりは静まり返った。

「──意味が分からない。」
後ろでビッチが囁いた。

それからあとの話は…知らない。覚えてなくていい。



僕はいつも通り一人でしぶしぶと歩いて帰った。
歩きスマホがダメなのは知っているけれど、ついやってしまうのが人間ってやつなんだよね。
罪は犯すと自分に返ってくる、そんなことくらい分かってるのに人間は次々と罪を増やしていく。自分に甘えすぎなんだよ。僕も、世界の人々も。
まぁ僕がとやかく言うつもりはないんだけれど。

とりあえずtwitter開いて人気の人のツイートでも覗いてみようか。
……ん?なんだこのお坊さんみたいなアイコン。少し気になるな。どんな内容のものをツイートしているんだ?

「貴方はドッペルゲンガーを信じますか?」
固定されたツイートにはそう書かれていた。は、ドッペルゲンガー?なんでお坊さんが?大体ドッペルゲンガーなんて誰かの作り話だし、現実に存在するはずないでしょ。
「──ッ!?」
びっくりした、いきなりお坊さんから何か来た。
「貴方は今、ドッペルゲンガーなんてもの存在するはずないと考えていましたね?
そう思ったことを悔やみ、嘆き悲しめ。」
全くもって意味がわからん。頭の中には?の花畑が出来てるぞ。
そろそろ家に着くし、そんなの気にしなくていいか。

僕はドアを開け、誰もいない家にすぅ、と入って行く。
自分の部屋に入り、ベッドに寝転がる。
眠い。睡魔が僕を襲って来る。

「…ドッペルゲンガー、か。」
僕は目を閉じ夢の世界へと入っていく。