車が止まった所は 海沿いにある 可愛いらしいホテル。

駐車場で再度確認され、「よし、行こう」と斗真と一緒に部屋に入った。

二人っきりの空間で 私は少しぎこちない。
だけど、斗真はそんな私を緊張してると思ってたみたいで…

「亜湖 おいで。」と私を引き寄せ 優しく抱きしめてくれる。斗真の胸の音を聞きながら 色々な話をして だいぶ私も リラックスしてきた。

今の体勢は斗真が下に寝転がり 私が上に抱きついてるという 密着状態でのお喋りタイム。部屋に入ったものの、まだキスすらしていない。

話を沢山している内に 止せばいいのに 私はうっかり 「同じカラーの人がいて、スゴく一緒にいると楽しい!」と若ちゃんの話をし たまに遊びに行ったりしてると 正直に話してしまった。

「亜湖と俺は同じカラーじゃない?」
「うん、違う…斗真は別カラー」

急に斗真が怒りだし、灰皿が 私の顔の横ギリギリに飛んできた…怖いっ…私大変な事を仕出かした?

さっきまでの ちょっと甘い雰囲気は一切なくなり、手首を乱暴に捕まれ 部屋を二人して出た。

車に押し込まれ 行きとは違う粗っぽい運転。斗真は勿論 私も無言で車内はシーンとしていて、車のエンジン音が やたら耳につく。

海沿いの道をスピードが加速して、ここ高速じゃないのに…危ないっ!!と何度も思ってた。

暫くあり得ないスピードの車内。道路の横に急に止めた斗真…

ハンドルに頭を付けて、「亜湖、ごめん。怖い思いさせて…さっき二人で死のうかとマジで俺思ってた。」

えっ?まさか…私 死にかけてたんだ…

「俺とは別れたい?」

「えっ?斗真?」

「いやだ。亜湖が好きだ。なぁ、亜湖…俺 亜湖が好き過ぎる…」

斗真が泣いてる…
どうしょう?どうしょう…

「私は斗真が大好きだから、別れない。一緒にいたいのは斗真だから 別れるとか言わないで!」

私は斗真に抱き付きながら わんわん泣いた。

「俺 さっきマジでヤバかった。亜湖…俺初めて嫉妬した…もう、亜湖 俺を振り回さないで!」

斗真は いつもの優しい斗真に戻っていて、甘い仲直りのキスを何度も唇に落としていった


この日、私は決心する。
斗真を悲しませない=若ちゃんとの関係を切る事。
気持ちをしっかりと引き締めた。