自分の中で 誰が好きなのかわからない状態で、久しぶりに紗菜と若ちゃんと3人で 夜の街に繰り出す。

今日は お洒落なクラブハウスに来た。紗奈と私はこの店の広いトイレで ピアスを開ける為。

ピアスを開けると人生がチェンジするってジンクスを信じて。私は紗奈に開けてもらい、紗菜は若ちゃんに開けてもらっていた。

薄暗いクラブは大きいトイレフロアーの左と右に部屋があり 左のフロアーで黒人シンガーが生演奏のピアノで歌っている

そこで、私でも飲める薄いリキュール系のお酒を頼む。
「若ちゃん、ここ大人過ぎで、居心地悪いんだけど、私達 浮いてない?」
「大丈夫。常連っていうか、向こうの部屋で俺いつもレコード回してるから!」

3人でダンスフロアに行く。中は暗く、途中黒人シンガーが覗きに来て、白い歯だけしか見えなくて、スゴく驚いた。

DJと顔見知りの若ちゃんは 何曲か繋げて回してみせた。真剣な顔の若ちゃんが いつもの200%程格好良かった。

格好いいのと好きな気持ちは比例しなくて、私はやっぱり、ぐらぐらしていたんだ。