「皇子様はとてもいいお人柄だと聞いています、私は武術はさっぱりなのですが、学問については得意なのでそちらをお教え出来れば思っています」



「あ、あぁ、はい・・・」


(ん?リアムさんの顔がひきつってる・・・目も泳いでる様な。もしかして人柄はあまり良くないのかな)




「こちらが中庭です。あそこで剣を振り回しているのがルイス皇子です」





中庭にしては広すぎる場所を覗くと、草花に囲まれた中で、たぶん玩具らしき剣を振り回している小さな男の子がいた。そして隣には執事らしき人。


「なるほど。なんと言うか、失礼なんですが見た目は普通なのですね。後ろ姿は私の親戚の幼い子に似ています」



「いずれ王になるとはいえ、まだ、8歳でいらっしゃいますから」



リアムさんが苦笑いすると、ルイス皇子の隣にいた執事さんが私たちに気づいたのか慌てて駆け寄ってきた。そして隣にいたルイス皇子もこちらを振り返った。



「リアムさんっ、・・・とユーティリア様っ!」


「お初にお目にかかります、ソフィー・ユーティリアです」

「あ、私はルイス様のお世話係の者ですっ!エイデンと・・・申します」




ルイス皇子のお世話係のエイデンさんに挨拶をされた所で、リアムさんが「では、私はこれで」とその場をささっと去っていった。