「あ、あのっ、始めま・・・じゃなくて、お初にお目にかかりますっ、ユーティリア様のお世話係となりました。ルナと申しまうっ!宜しくお願い致しまひっ!」



(すごい噛んでる・・・)




「ルナさん、これから宜しくお願いします」



「あっ、はいっ!でも、さん付けなんてととととっんでもないですっ。ルナとお呼びください・・・ユーティリア様」




おどおどした様子で相当緊張してるのかメイド服のスカートの裾を握りしめ、思いっきりお辞儀をするメイドさん。隣で呆れたようにため息をつくリアムさん。




「うーんと、じゃあルナ。私はソフィーで構いません。ユーティリアと呼ばれると落ち着かないので」


「か、畏まりましたぁっ!ソフィー様っ!」



キラキラした丸い目ににこっと笑う姿はどこか小動物のようで、微笑ましくなる。



「と、ユーティリア様、お休み頂きたい所なのですが、これよりユーティリア様がお仕えする皇子様に会って頂きたいのです。今は中庭にいらっしゃいますので・・・」



と、リアムさんが真剣な目付きで言い、私はその場で頷いた。


「・・・分かりました、行きましょう!あ、ルナ、私が出る間にその鞄の中の服とかの荷物を全て収納しておいてくれますか?」

「か、畏まりましたっ!あ、何か貴重品はございます!?」




「うーん、特に無かったはずだけど、あっ!ペンダントが入ってる黒い箱があるから、それは取っておいてください」




「畏まりましたっ、いってらっしゃいませっ!」

ルナの床に頭がつきそうなほどの深いお辞儀で送り出され、リアムさんと皇子様が遊んでらっしゃると言う中庭に向かった。