恐る恐る王宮に足を踏み入れると、近くからオリーブ色のドレスに身を纏った女性が、執事を連れて近づいてきた。


すると、女性はにこっと笑い「ようこそ、おいでくださいました。わたくしは王の妃ユリアナ・デフォードと申します」





「おっ、お妃様でいらっしゃいますか?!」



(お妃様がわざわざ出迎えに来るの・・・?)




「はい。ユーティリア家とは昔から親交の深い間柄ですから、私がお出迎えに参りました」


そう言われ、私はビックリして喉につっかえていた挨拶を繰り出した。




「あ、あぁ・・・お初にお目にかかります、私はソフィー・ユーティリアと申します。親交深い間柄でも、こうしてお出迎えに頂ける事は光栄です」





「いえ、とんでもありませんわ。早速ですがお部屋にご案内致しますね」


「は、はい」





そう言われ、いくつもの宝石が使われているような、きらびやかなシャンデリアに豪華な銅像や絵が飾られた広間を歩き、お妃様とその執事と共にぐるぐると螺旋階段を上がった。