コンコンとドアをノックする。




「ノア、私です。開けてもいい?」



「・・・・」

「入るね」

返事が来ないけれど、恐る恐るでも確かな意思は持ちながらゆっくりとドアを開ける。ソファに足を組んだノアが待っていた。





「ノア・・・?寝てるの?」



カーテンを締めきった部屋に、微かに寝息が聞こえた。
よく見ると、サラサラの黒髪を風になびかせながら、しかめっ面でノアは寝ていた。



(足組んで寝てる、体痛めちゃうよ・・・)


「ノア、起きて」
ゆさゆさとノアの体をゆらす。





「・・・・・・」

「あ、起きた」




精一杯の笑顔で、私はノアに「おはよう」と笑いかける。