「あ、ユーティリア家の方ですね。どうぞ、お入りください。長旅ご苦労様です」



目の前に立ちはだかるのは大きな門に、白を基調とした制服を着た門番。そして王宮、まるでおとぎ話に出てくるような場所だった。


「ありがとうございます、失礼致します」



門番に軽く相づちをうち、開けられた門の前で深呼吸をしてから一歩踏み出した。青い空に似合う白い王宮と、城の頂点に掲げられ夏の風になびいてる国旗。清々しすぎる空気。





「なんとなく・・・知ってはいたけど、実際に来るとなんと言うか・・・」



ボソりとつぶやき、ばくばくと興奮する心臓を押さえつけ、ゆっくりと王宮の中へ進んだ。