「え、家まで送ってくれるの?」

「女の子を守るのは男の役目だからね」

ニコリとほほ笑む青くんの目は拒否を受け付けてくれない鋭さがあった

「・・・わかったよ・・・」

ぶすーっと頬を含まらせれば青くんはもう一度微笑んだ

「それでよし」





学校から家までは徒歩30分くらい
電車もあるけど私は歩く。
歩いたほうがここを知れるから

都会っちゃ都会だけど東京とか大阪ほどじゃないそんなこの町が案外好きで

毎日違う道を行ったり、良いところがあれば写真を撮ったりしている

(でも)
今日はできるだけ早く帰れるルートを歩こう
青くんにあんまり頼ってばかりは嫌だから



「青くんは家どっちなの?」

「俺の家?学校の近くにあるマンションだよ」

「おっきいほう?」

「あは、それ、聞かれると思ったけど聞かれるたびに悲しくなるんだよね」

「・・・ちっちゃいほうなんだね」

複雑そうに笑う青くん
あはははっと大きく笑う私。

(案外楽しい)

遠回りしてもいいかな

踏切を過ぎた後、

「あ、青!」

踏切のそばのコンビニエンスストアから
女の子の可愛らしい声が響いた