「緑ちゃ・・・」
緑ちゃんが開けっ放しにしたドアから
見えたのは
美しい
そこだけで成り立った世界
息をのむくらいの青空
頬をかすめる少し強めの風
そして、そこにたたずむ少女
普段は茶色なのに
太陽に透かすと金に輝く髪
大きな目から流れ落ちる光の粒
(はっ)
現実に意識が戻ると伝える言葉を探す
「泣かないで。イタズラがすぎたみたいだね」
一歩近づく
「もうしないから」
もう少しと足を進める
「っ近寄らないでっ・・・!」
ドクン
スッと手を伸ばす
緑ちゃんの頬に流れるものをぬぐおうと
パチン
「触らないで」
ドクン
なんだろう
無性に
(キスしたい)
俺は緑ちゃんに覆いかぶさるように
顔を近づけた

