「星空高校の学校一の美少女
イチノセミドリ チャン?」

「・・・」

え、何
この人

「デートしない?」

「お断りします」

(急すぎ)
私は本を読んでるんですが

「星空の姫はやっぱりガードが固いんだねぇ」

「その呼び方。やめてください。」

「いいじゃん別に」

急に話しかけてきた男子には素っ気ない態度をとるべし

すぅっとその人の手が私の腕に触れる
びくっ

表情は変えなかったが体は反応してしまった

「・・・ふっ」

(笑われた・・・?)

だんだんと私の腕に触れる手は昨日洗ったばかりの夏服へと近づく

裾をめくり、肩を触られる


やばい
泣きそう

(教室の真ん中でこいつは何がしたいの)

(そのにやにやしている顔を殴って急所をけってやりたい)



肩を触る手と逆の手が私の背中に回る

すぅっと背中を下から上へと人差し指でなぞる

背中の真ん中に差し掛かるとき


パチンッ


その音と同時に私は席を立った

屋上に向かってとにかく走る
「緑ちゃん!」


(最低最低最低)


ブラのホックを一瞬で外しやがった

それに、これくらいのことで涙が止まらない自分に対してもイライラする


ばんっ

大きな音を立てて屋上の扉を開いた