「友達にこんなこと聞くのは何だか変な感じがするんだけど。私あなたの名前聞いてないんだよね」
あははーと笑って言うときょとんとした顔で私を覗く
「あぁ!言ってなかったっけ?!」
「うん。実はそうなんだよね」
教室に向かって歩く廊下
こんなにゆっくり歩くのは高校に入って初めて。
「如月桃香 5組だよ。いつでも来てねーって、緑って何組だっけ」
「4組だよ」
「あらら?体育一緒じゃん。いたっけ」
「あんまり体育は出てないの。ペア組む人いないし、男子が授業に集中できないからあんまりでないでくれって先生から言われてて」
楽しい
「うわあ・・・モテモテじゃん(知ってたけど)」
「ノーコメントでいいかな」
(こんな何気ない会話もいつぶりかな)
「桃香、はやいね。もう仲良くなったんだ」
「えへへ」
(たしか・・・)
廊下を歩きだして少ししてから現れたのは昨日の桃香と一緒にいた女の人
「桃香に話は聞いたかな。私は 森川みかん おんなじクラスなんだけど知らないよね。」
(髪がさらさらですごいきれい)
「えっと・・・」
「みかんって呼び捨てで呼んでくれるとうれしいかな」
「うん。わかった」

