<<一之瀬緑>>




「ってめぇ なにすんだよ!」
「うるせぇ!」

喧嘩するのはいい。
ただ、場所を考えてほしい

教室のドアの前って・・・
(明らかに邪魔でしょ)


で、だれも止めないと。

はあぁ
大きなため息をついて私は足を踏み出した

「ねえ。」

「あ?うるせぇ。女がしゃしゃり出てくんな!」


胸ぐらをつかみ合っているからか
私のことを全く見ていない

だからもう一度声をかけた

「ねえ!」

「んだよ・・・おぁ!?」

やっと視線を私に移した二人。
なさけなく叫び声をあげての力を緩めた


「私。やさしい人が好きだなぁ」

ふふふ と笑顔を作ってみれば
さっきまで言い合っていた二人は肩を組んだ

「お、俺ら友達だもんな」
「おう。仲良しだよな」

「そお?だったらもうケンカしない?」

「するわけないよなぁ」
「あたりまえだよなぁ」

「よかったぁ」

笑顔をキープしつつするりと教室の世界に入った

「こわぁまた落とされちゃった人が増えたよ」

「姫には関わらないようにしないとね」



(聞こえてますよ皆さん)


あと、姫って呼ぶのをやめてください


私は突っ込みながら自分の席に腰を落とした