「あの、その!綺麗です…本当に」


「……ありがとうございます。亮介さん」


きっと貴方はこんな風に言ってはくれないだろうな。


せいぜい良くて「馬子にも衣装」かな?


そんなことを思って小さく笑いがこぼれた。


「奈々穂さん、どうしました?」


「いえ、なんでも」


そんなことを思っているとまた控え室の扉がノックされた。


「はい、どうぞ」


「失礼します。奈々穂さん!この度はおめでとうございます!」


慌ただしく入ってきたのはお義母さん。


「いやぁ、こんな可愛いお嬢さんがお嫁に来てくれるなんて、本当に涙が止まらないわ」


お義母さんはもう既に目に涙を溜めてわたしの手を力強く握った。