彼女が消えるその瞬間まで

「…………え?」




「私、死んでるんだよ。今も甦った身で死人みたいなものだよ。私はいつかは消えちゃうんだよ」




「………」



悲しげに揺れる瞳と憂いを含んだ彼女の横顔を見ると、何も言えなくなってしまった。







でも、改めて実感した。









やはり、夏川姫百合は死んでいる。




それは変えようのない事実で、受け入れなければならない現実でもある。



俺と姫百合は同じ時間軸を生きていても、刻んでいるので時間は違う。





彼女の心の時計は、動くことも許されない。


それはまるで、動くことを諦め、錆びついた針ように。











俺はこれから、この非日常的に起こっていることを本気で受け入れ、彼女に笑っていかなければならない。





約束したから。