彼女が消えるその瞬間まで

「あ、潮の匂いがする」


黙って彼女と歩いていると、突然彼女は言い放った。




潮の匂い?



「翼くん、あなたの行きたいところは海だね!」



驚いた。俺には潮の匂いもしないし、しかも匂いだけで当てることが出来ない。



「あははっ、驚いたでしょ?はっきり顔に出てるよ」



彼女はお腹を抱えて、意地悪そうに笑った。