彼女が消えるその瞬間まで

時刻は通勤ラッシュ時間を過ぎていたので、電車の中は結構空いていた。


隣には姫百合が座っている。彼女は窓の外を眺めていた。



「ねぇ、どこに行くの?」



「ん、行く場所はもう決めてる」



「えー、どこ行くの?」



彼女が俺に顔を近づけながら、目を輝かせて見てきた。



「ついてからの楽しみな」



俺がニッと笑うと、彼女は「えー」と唸りながら、また窓の外を見ていた。