辺りは、もう茜色の輝きはなく、闇の世界へと化していた。


そんなに話していたのか………



「分かった。それも約束しよう」



「ありがとう!」



俺が言うと、彼女はあの明るい笑顔で笑った。



「今日はもう、遅いし帰ろっか」



彼女がくるっと方向転換をして、階段を下り出した。
俺も、彼女について行くことにした。












夏川姫百合の後ろ姿を見ても、まるで甦った人間のように見えなかった。





「何してるの?早く帰ろー」






俺は彼女とこれからどう接していくのだろうか。考えても、検討もつかなかった。










高校1年の春は、不思議なことばかりだ。