彼女が消えるその瞬間まで

「なんだよ、答え出てんじゃねぇか」




「え?何て」



松ちゃんが背後で何かぼそっと言った気がしたので、俺は訊き返してみた。




「…何でもねぇよ!行こうぜ、翼」




松ちゃんは俺の手を引き、あの澄みきった空に向かって駆け出して行った。





何だろう、なんかはぐらかされた…………?




松ちゃんの背中をじっと見ていても、彼が何を言ったのか、分かることはなかった。














『夏川姫百合のことどう思っているんだ?』




その日の夜は、松ちゃんに訊かれたこの質問が頭の中にずっと引っかかっていた。





俺は、姫百合のことをどう思っているんだろう。