彼女が消えるその瞬間まで

「なぁ、姫百合」


「ん、どうしたの?」


楽しそうに話していた彼女に俺はどうしても訊ねたいことがあった。



「南沢に告白されていたのか?」


俺が訊くと、彼女の表情は固まった。

まずいこと、言ってしまったのかもしれない。




「…うん。あの日の朝に、呼び出されてね。私のこと好きだって…全然気づかなかったよ」




彼女は窓の外を眺めながら、静かに口を開いた。







やっぱり、気づかなかったのか。あんなに分かりやすかったのに。