彼女が消えるその瞬間まで





「あ、目が覚めた。やっほー翼くん聴こえてる?」



俺が意識を取り戻したとき、最初に瞳の中に映ったのは、病院のような白い天井といつもの笑顔で笑う、彼女の姿だった。



やけに体が重い。



でも、彼女の声も、周りの音もはっきりに耳に届いている。




試しに耳に手を当ててみた。


そこには、俺が生きていく上で、命と同じぐらい大切な物がついていた。




「あの後、一緒に病院に行って、あなたは麻酔を打って手術したのよ」




彼女が優しく微笑む。彼女の話している通りに推定してみると、ここは病院だ。



体が重いのも、なんかいろいろしたからか。




少しだけ安心し、ホッと胸を撫で下ろした。