彼女が消えるその瞬間まで

「……翼くん?」



反応できない俺に、彼女は不思議に思ったのか、首を傾げた。




俺は彼女の肩を叩き、自分の右耳を指さした。



「耳?………………………!補聴器がないじゃない!!!」



彼女は険しい顔して、キョロキョロしていた。どうやら補聴器に気づいたらしい。



「ひどい、誰がこんなこと……」




「姫百合、お前はそいつが好きなのか?」



彼がおどおどして、歪んだ顔をしていた。先ほどとは大違いに。





「え?今はそんなこと…………もしかして、アンタがやったの?















幻滅したわ。そんな人とは思わなかった。







じゃあこの場ではっきり言うわ。アンタみたいな奴とは付き合えません。



翼くんを傷つけたんだから。もう、一生私に話しかけないで。翼くんにも手を出さないで」




姫百合は何を言ったのか、彼の顔は死んでいた。







ボケーっと2人を見ていたら、突然彼女の腕に包まれた。