彼女が消えるその瞬間まで

は?







心臓が嫌な音を立てた。









何で、こいつがいるんだ?








今俺の目の前で起こっていることは、決してありえることではない。





「姫百合ー遅いよー同じクラスよろしくね!」





“姫百合”と呼ばれた、少女は明るい笑顔でてへぺろっとおどけて笑っていた。



心臓の嫌な音が鳴り止まない。周囲の音が全く耳に入らなくなった。

世界に俺だけが取り残された感覚に襲われた。





姫百合と言う少女は俺もよく知っている。小学校からずっと同じだったからだ。




明るい笑顔と、優しい性格か特徴で、男女関係なく人気だった。




ここまで訊いたら、なぜ俺が心臓が嫌な音を立てているのか、分からないだろう。





左胸をぎゅっと掴んだ。



























彼女は………夏川 姫百合は……………………