彼女が消えるその瞬間まで

「勉強なんかお前に教わらなくても自分で理解できる。いちいちしつこいんだよ。そんなに勉強会したいなら、南沢とやれば?」




「…何で翔くんになるのよ、私は翼くんとやりたのに!」




「こっちは頼んでないんだよ。このお節介!」




開いた口は、もう閉じない。それはまるで、財閥の財布のように。




俺の言葉は棘となり彼女の心に突き刺さっていく。



姫百合は俯いていた。











彼女が顔を上げ、俺を見たとき、俺は動揺した。






















姫百合の瞳が濡れていたからだ。