この結婚断固反対です‼︎

『お父さんはなんて言ってるの？』
『孝之？いいんじゃない？って』

お父さん！なんでいっつもおばあちゃんに頭が上がらないのよ。
毒づいたところで何も変わらない事は長年の生活で理解はしている。
しかし頭で理解しても心は全くついて行かない。

おばあちゃんは、天真爛漫でいつもうちの家で一番強く、なんでも、ノリと勢いで乗り越えて行ってしまう。
そんな私に構うことなく、おばあちゃんは言葉を続けた。

『もうすぐお迎えが来るわよ。早く用意しなくていいの？』
『え！！迎え？？というか、相手は誰！？』

一番肝心な事を聞くべく声を荒げた私にはお構いなしでおばあちゃんはテレビから目も離さず手だけを振っていた。

『本人に聞きなさい～。』
そんなおばあちゃんに苛立ちを覚えながらも、慌ててスーツケースに考え付くものを放り込んだ。

どうせ、すぐに相手もこんなバカな話を断るだろう。
普通の常識を持ち合わせた人間がこんなことに了承するがはずがない。

私はそれだけを願っていた。