どうしてこうなったの?
なんで?なんで?

それだけしか頭に浮かばない私は、眼下に広がる夜景に目をやると大きなため息をついた。

何階か忘れてしまったが、高層階から見える夜景はキラキラと光り美しかった。
部屋の中に目を移せば、高級タワーマンションの高層階に位置するこの部屋は恐ろしく広く、そして生活感が無かった。

モデルルームの様に統一された黒と白のインテリア。横一面にお洒落に天井まで備え付けられた本棚にはびっしりと洋書や難しい本が並ぶ。

現実を受け入れることができていなかった私は、目に入るものをなんとなくぼんやりと見ていると不意に掛けられた言葉に慌ててその人を見た。